社会保障国民会議の実務者会議はこのほど開いた14回目の会合で、食料品の消費税率を2年間限定でゼロ%に引き下げる「消費税減税」と「給付付き税額控除」について議論した。
この日の会合で、政府側は税率「1%」への引き下げであれば、半年程度の準備期間で実現可能との見解を示した。消費税率を1%とする場合、1%相当分の6千億円強を補助金などで国民に還元し「実質0%」とする案も浮上している。政府内では「来年4月から1%」とする案が有力で、首相が今月中にも最終判断する見通し。
この会合では、給付付き税額控除の制度設計をめぐるこれまでの議論の「中間とりまとめ」に向けて「留意すべき点」も整理した。これまでの会議で出た指摘事項から、(1)支援の対象となる所得の水準の設定(支援の対象となる所得の水準、支援額が消失する所得の水準) (2)子育て世帯への配慮の仕組み(個人単位の制度としていることとの整合性、児童手当との関係等) (3)低所得者に対する制度的な支援の在り方 (4)給付に一本化して所得に連動した支援とすることについて(給付付き税額控除との関係) (5)給付の趣旨・性格(税・社会保険料との関係)の対象者への分かりやすい伝え方 (6)公金受取口座の登録率の向上 (7)将来的な方向性について(税制における控除の在り方の検討、既存の社会保障制度の課題の明確化) (8)制度導入後の政策効果の検証(働き控えの緩和等) (9)適切な財源の検討――を「中間とりまとめ」に向けた論点として挙げた。
国民会議は今後も数回の会合を開き、「中間とりまとめ」を示す方針。首相はこれを踏まえ、消費税減税と給付付き税額控除の実施方法について自身の判断を表明する見通し。
税務調査のうち、「着眼調査」は、半日程度で終わるものを指す。ほかの「特別調査」や「一般調査」に比べれば調査官の突っ込みも深くはないが、かといって半日の調査であれば怖くないと考えるのは早計だ。国税庁の資料(2024事務年度・所得税および消費税)によれば、特別・一般調査で申告漏れなどの非違を指摘された割合は約9割と非常に高いが、「着眼調査」でも約7割の確率でなんらかの申告漏れなどを指摘されている。
追徴税額も調査によって大きく変わり、着眼調査では1件当たり40万円、特別・一般調査になると299万円に膨れ上がる。
なお、これらの税務調査の種類は、あくまで国税内部での分類であり、調査の通知で「今回は着眼調査です」などと教えてもらえるわけではない。どんな調査が来ても怖くないよう、日頃から対策を練っておきたい。
国税庁はこのほど、2025年分の「所得税等、消費税及び贈与税の確定申告状況等について」を発表した。所得税等(復興特別所得税を含む)の申告人員は前年比0.6%増の2353万人で、このうち申告納税額があったのは同21.3%増の628万人。その所得金額は同7.4%増の54兆9617億円で、申告納税額は同6.6%増の4兆6897億円だった。所得税等の申告人員は15年分以降、ほぼ横ばいで推移している。
申告人員のうち申告納税額があるひと(納税人員)の数は、24年が同20%超の減少だったが、25年は増加に転じた。国税当局によると「24年は定額減税の影響で納税がないひとが一定数いたことが要因の一つではないか」としている。所得金額、申告納税額の増加については、「近年の賃金上昇による所得金額増加や、地価公示の平均変動率が上昇したことに伴う土地などの譲渡所得があるひとの増加など、さまざまな要因が重なっているのではないか」と分析している。
事業所得者のうち納税人員は同30.6%増の154万人で、その所得金額は同21.6%増の9兆729億円、申告納税額は同24.4%増の9298億円となっており、前年分と比較するといずれも増加した。
事業所得者以外の納税人員は同18.5%増の473万人で、その所得金額は同5%増の45兆8887億円、申告納税額は同3%増の3兆7598億円となっており、前年分と比べていずれも増加した。
土地等の譲渡所得の申告人員は同4.1%増の60万人で、このうち所得金額があったのは同4.7%増の41万人。その所得金額は同6.8%増の6兆9394億円だった。
株式等の譲渡所得の申告人員は同2.5%減の115万人で、このうち所得金額があったのは同0.2%増の74万人。その所得金額は同15.2%減の6兆8603億円だった。
e-Taxの利用による所得税等の申告人員は同4.8%増の1814万人で、前年分と比較して83万人増加。すべての申告人員のうち77.1%が利用している計算で、4人に3人がe-Taxで申告しているといえる。
申告人員全体のうち、4割が自宅からe-Taxで申告しており、そのうちの半数以上がスマートフォンを利用している。その一方で、確定申告会場での申告人員は全体の1割を下回り、年々減少する傾向にある。
個人事業者の消費税の申告件数は同2.2%増の217万件で、前年分と比較して5万件増加した。申告納税額は同5.1%増の8416億円だった。
贈与税の申告人員は同1.2%減の47万人で、このうち申告納税額があったのは同2.8%減の32万人、その申告納税額は同28%増の5038億円で過去最高となっており、前年分と比較すると申告人員・納税人員は減少した一方、申告納税額は増加した。
贈与税の申告状況を課税方法別にみると、暦年課税を適用した申告人員は同1.3%減の39万人で、その申告納税額は同28.7%増の4215億円。相続時精算課税を適用した申告人員は同0.8%減の8万人で、その申告納税額は同24.6%増の823億円となっている。
税法の条文や関連する通達を見ていると、控除対象となる配偶者、扶養親族、ひとり親控除、雑損控除、医療費控除、配偶者控除、地震保険料控除など、至るところで「生計を一にする」という言葉に出くわす。
その言葉は一見すると、「同じ屋根の下で生活をともにする人」をイメージするが、実は「生計を一にする」は、意外と幅広い範囲を指している。単純に誰かが誰かを扶養するということではなく、必ずしも同居していることを要件ともしていない。
整理すると、勤務や修学、療養などの都合で日常の起居をともにしていない親族であっても、休暇などの際にはその親族のもとで起居をともにすることが常例となっている場合や、これらの親族間で常に生活費や学資金、療養などの送金が行われているケースは、所得税法上の「生計を一にする」を満たしていると認められる。
ただし逆にいえば、親族が同一の家屋に起居していても、明らかに互いに独立した生活を営んでいれば「生計を一にする」とはいえないということだ。あくまで「生計を一にする」というからには、生活の資金をともにしているという「カネの結び付き」が必要となる。
所有する土地・建物にかかる固定資産税の納付時期には、全国各地の自治体で過大徴収、過少徴収、誤徴収、課税漏れなどのミスが相次いで発覚する。主要な地方税のひとつである固定資産税は、納税者側が計算して納付する申告納税制ではなく、自治体側が税額を決定する「賦課税」。全員が税金のプロである国税当局の税務職員とは違い、地方税を課税・徴収する自治体の職員は、その多くが一般的な地方公務員で、決して税金の専門官ではない。今年、これまでに報告されている主なミスについて振り返ってみる。
福井県永平寺町では、分譲マンションの土地部分の固定資産税が正しく課税されていなかった。納税者から問い合わせがあり発覚した。過少に課税していたもので、86人の納税者に合計11万5500円の追加課税が発生した。町では納税者に「固定資産税更正決定通知書」を送付して追加納付を求める方針。本来課税対象とするべき分譲マンションの土地部分がシステムの不備で課税対象外として処理されており、税額が過少に算定されていたことが判明したという。昨年11月に行われた全国統一的な固定資産税システムの入れ替え作業で新システムへデータ移行する際、事務組合や委託業者らが新旧システムの比較検証作業を適正に行わなかったことが原因だとしている。
福井県大野市では、1963~2000年に建築された鉄骨造の家屋32棟で固定資産税と都市計画税を過大徴収していた。判明している過大徴収の期間は最長60年で、木造家屋や01年以降に建築された家屋で過大徴収は確認されていないという。構造を「鉄骨造」ではなく「鉄骨鉄筋コンクリート造」に区分し、誤った補正率を適用したため本来より高い評価額になっていたことが原因。家屋の所有者から「不動産登記簿上の構造と課税台帳上の構造が違う」という問い合わせがあり発覚した。市では「固定資産税等過誤納返還金交付要綱」に基づいて直近20年間分を還付する方針だとしている。
熊本市では、固定資産税の納税額や納税者の氏名を記した文書を別人に発送するミスが発生している。合計14万7871件に誤送付した可能性があるという。納税者の領収書を別人向けの通知書と切り離さないまま発送していた。他人の領収書を受け取った納税者からの連絡で発覚したという。業務委託先の事業者の、機械の不具合が原因である可能性が高いとしている。この事業者では、作業員が目視で検品する対応はとっていなかったという。
香川県綾川町でも固定資産税の課税ミスが発生している。25年度に新システムへデータを移行した際、本来課税していない都市計画税に関する処理が一部で有効になり、それを参照して固定資産税が非課税として処理されていた。対象者は18人で課税漏れ額は合計約74万円。納税者からの問い合わせで判明したという。
山口県光市でも固定資産税の納税通知書を誤って別人に送付するミスがあった。受け取った納税者からの連絡で発覚した。誤送付されたのは納税者名や納税額などの個人情報が記載された納税通知書。封入業務を委託していた事業者の確認作業が不十分だったことが原因だとしている。
中小企業に最も身近な法人税の特例の一つに、「少額減価償却資産の特例」がある。1組40万円未満の償却資産を年間300万円まで損金算入できるというもので、オフィスのパソコンを一新する時などに活用される特例だ。
ところがある中小企業は、この特例を利用して25万円のパソコンを10台購入したところ、市から「おたくが取得したパソコンは課税対象になる」との連絡があった。これはどういうことだろう。
その答えは国税と地方税の違い、さらにいえば法人税と償却資産税のルールの違いにある。法人税や所得税で中小事業者に認められている、取得価額40万円未満の少額減価償却資産の特例は、償却資産税には適用できない。同特例はあくまで租税特別措置法に基づいて法人税や所得税に認められた特例であるため、償却資産税までその効力がおよんでいないのだ。
償却資産税にも、少額の償却資産を課税対象から除外できる特例は存在するのだが、適用されるのは取得価額が10万円未満の資産で損金に算入したものか、取得価額20万円未満の資産を3年間で償却する「一括償却資産」などに限られる。つまり前述のケースにある25万円のパソコンは、こちらの特例も適用できない。