財務省は3月5日、2025年度の国民負担率が46.1%になる見込みだと発表した。24年度に比べて0.6ポイントの低下となる。国民負担率は、個人・法人が所得から払っている税金や社会保険料の割合を示すもの。前年度比で若干低下したものの、依然として高水準にあるといえる。
税負担が前年度比0.1ポイント上昇して28.3%、社会保障負担が同0.7ポイント低下して17.8%となる見通し。国と地方の財政赤字を加えた潜在的な国民負担率は同1.2ポイント低下して49.1%になると推計している。
財務省では、26年度の国民負担率について、賃上げによる所得の増加に加え「年収の壁」の引き上げなどの減税策が影響し、45.7%に低下すると見通す。潜在的な負担率は48.4%と推計する。ただし、政府が赤字国債を発行すれば、国民負担率はさらに膨らむ可能性がある。
国民負担率は比較可能な70年度以降、徐々に上昇している。70年度は24%台だったが、79年度には30%台に達した。潜在値はそれよりも早く、74年度にはすでに30%台となっていた。はじめて40%台に到達したのは13年度だが、そのころの潜在値は頻繁に50%を突破するようになっていた。20年度にはコロナ禍への支援対策で赤字国債の発行が急増したため、国民負担率は47.3%に上昇し、潜在値も62.6%にまで跳ね上がったが、それ以降は徐々に改善しているといえる。
宝くじで10億円が当たっても、所得税や住民税は1円もかからない。法律で非課税と決められているからだ。しかし、この非課税という言葉に安心して、家族や友人に幸せをおすそ分けしようとすると、税務署から最高税率55%にも達する贈与税を課されてしまいかねない。
例えば、夫が代表して換金し、後から妻や子どもに1億円ずつ配ったとする。税務上、これは「夫の資産を妻子に贈与した」とみなされる。当せん金そのものは非課税でも、それを他人に渡す行為は別問題だからだ。そして、これを防ぐ唯一の方法として知られるのが、換金時に窓口で「共同購入」だと申告する手法だ。
10億円という巨額のお金が絡む話なだけに、その手続きは慎重に行わねばならない。最も有効なのは、受け取りの際には、購入者全員がそろって銀行に行き、その場で「誰が共同購入し、それぞれの配分はどうするか」を伝え、発行される当せん証明書に全員の氏名と受取額を記載してもらうことだ。これがあれば、分配金は贈与ではなく、それぞれの持ち分として扱われるため、堂々と非課税で受け取れるというわけだ。
一度個人の口座に入金されてからでは、手遅れになることが多い。高額当せんの興奮で冷静さを失わず、まずはしっかりと落ち着いてから判断すること。それが、幸運を不運に変えないための鉄則だといえる。
政府は2月24日、「予算・税制に係る公的制度の基準額の点検・見直しに関する関係府省庁連絡会議」を開催した。2026年度の予算・税制改正に基づいて見直される予定の公的制度の「基準額」について内閣府と総務省が報告した。
非課税限度額や所得控除額、補助基準額などの予算・税制に関する公的な「基準額」のなかには、長年据え置かれたままのものが少なくない。府省庁横断の連絡会議ではこうした「基準額」について点検・見直しに取り組んできた。
報告によると、昨年末の予算編成過程を経て決定した「基準額」の見直しは301件。このうち据置期間が10年以上だったのは、給付金が月額3万2千円から5万4700円(0~6歳)に引き上げられる「交通遺児育成給付金支給事業」(据置期間45年)など21件だった。
税制改正では、国税で21件(据置期間10年以上9件)、地方税で18件(同11件)の「基準額」が見直される。具体的には「食事支給に係る所得税非課税限度額」(据置期間42年)、「深夜勤務の夜食代に係る所得税非課税限度額」(同42年)、「中小企業者等の少額減価償却資産の損金算入の特例」(同23年)、「マイカー通勤に係る通勤手当の所得税非課税限度額」(同12年)など。また、所得税の基礎控除の所得控除額は25年度の税制改正でも変更されたが、それまでは30年間据え置かれていた。これらの見直しは、物価上昇など経済の変化を長期にわたって反映させてこなかった「基準額」について、現在の水準に見合ったものとすることで、家庭や企業の負担の増加を抑える狙いがある。
昨年4月に適用された通勤手当の非課税限度額の引き上げに続き、物価高騰や人件費の上昇を踏まえ、最新の2026年度税制改正でもさらなる拡充が見込まれている。地方の中小企業にとって影響が大きい、マイカー通勤者に対する「駐車場代」と「長距離通勤」に関する非課税枠の見直しだ。施行は今年4月1日となる。
まず、これまで全額課税対象だった「駐車場代」に対し、月額5千円までの非課税枠が新設される。会社が駐車場を借り上げて従業員に貸与する場合や、従業員が負担する駐車場代を通勤手当として支給する場合、5千円までなら所得税がかからないものだ。実質的な手取り増となるため、採用競争力の強化にもつながるだろう。
また、非課税限度額の距離区分も細分化される。現在は片道55キロメートル以上が一律の上限だが、65キロメートル以上の区分が新設され、段階的に限度額が引き上げられる(最大95キロメートル以上で月額6万6400円)。4月の施行に向け、自社の給与規程や通勤手当の支給基準を見直す準備を始めたい。
国税庁はこのほど、大企業に対して税務上のコーポレートガバナンス(企業統治)を高めるよう働きかける「税務に関するコーポレートガバナンス(税務CG)」の取り組み実績を公表した。
大企業の"税の成績表"ともいえるもので、2024事務年度(24年7月~25年6月)は125法人に対して税務CGの判定を実施。22法人を「良好」、95法人を「おおむね良好」とした一方、8法人を「改善が必要」と評価した。9割の法人が「おおむね良好」以上の評価となったが、項目別では「税務部署のチェック体制が不十分」と評価された法人が4割あり、適正な税務処理の体制が整っていない大企業があることが浮き彫りになった。
税務CGの取り組みは、当局が企業に税務調査を行った際、税務についての会社の体制を確認・判定し、国税局調査部長らが経営責任者と面談して評価結果を伝達。そのうえで改善事項についての意見交換などを行う。当局はこれを「協力的手法」とし、資本金約40億円以上の「特別国税調査官(特官)所掌法人」約500社を対象に実施している。
実績のうち、具体的な評価項目では、「経営責任者等の関与・指導」を81%で「良好」とする一方、「税務(経理)担当部署等の体制・機能」を「良好」としたのは2割に満たなかった。
事業担当部署が精算した経費について、税務(経理)部署が適正かどうかをチェックする体制などが不十分だったとして、「改善が必要」と判定された法人が4割超に上り、多くの企業に足りていない部分だと当局が判断していることが分かる。
このほか、「税務に関する内部牽制の体制」や「税務調査での指摘事項等に係る再発防止策」も「良好」と判定したのは3割に満たなかった。
当局はこれまでの実績を踏まえ、特官所掌法人以外で、一定程度の規模以上の法人の一部に対しても税務CGの取り組みを試行している。今後、対象を拡大するかどうかを含めて「自発的な税務コンプライアンスの維持・向上に向けた取り組みの方向性を検討する」としている。
税務調査のメインイベントである「実地調査」は、通常2日間にわたって行われる。初日の午前中は「概況聴取」とも呼ばれ、経営理念や業界の動向、経営者の経歴などの雑談に近い対話から始まる。しかし、これは単なるアイスブレイクではない。調査官は会話を通じて、代表者の生活水準と役員報酬の整合性や、会社の意思決定プロセスに不自然な点がないかを、すでに探り始めている。
午後は帳簿や領収書、請求書などの資料確認に移る。ここでチェックされるのは、売上の計上時期が適切か、期末付近の売上の繰り延べがないか、私的な支出が経費に含まれていないか、といった点だ。また、パソコン内のメール履歴や、金庫・デスクの引き出しの確認を求められることもある。
2日目は、1日目の調査結果に基づいた各論点の深掘りや、調査官からの簡単な指摘が行われ、その後、税務署内での検討を経て、正式な調査結果が通知されることになる。
注意すべきは、質問に対して「うろ覚えで答えない」こと。事実に反する回答は、虚偽の説明とみなされ、調査官の心証を著しく悪化させる。不明な点は「確認して後ほど回答する」と冷静に伝え、根拠となる資料を提示することが重要だ。隠し立てせず、さりとて必要以上にひるまず、一貫性のある説明を尽くすことが、最短で調査を終えるための最善策だろう。