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2022年27号(2022/8/10)

<タックスニュース>21年度ふるさと納税総額  過去最高の8302億円

 ふるさと納税の2021年度の寄付総額が8302億円に上り、過去最高となった。総務省が7月29日に発表した。制度が始まった2008年度の100倍超となり、寄付件数も4447万3000件で過去最高を記録した。

 納税額が最も多かったのは、北海道紋別市で152億9700万円。宮崎県都城市が146億1600万円、北海道根室市が146億500万円と続いた。

 制度の活用が堅調に伸びている一方、現行の制度を巡るトラブルや批判もある。

 翌年度の住民税控除額は、横浜市が230億円で最多。名古屋市が143億円、大阪市が123億円と続き、都市部の税収減が目立った。自治体関係者からは減収を懸念する声も出ている。東京都荒川区は区のホームページに「現在の制度は本来趣旨から逸脱している」とする文書を掲載し、住民税の流出によって公共サービスの持続に支障をきたす可能性があると指摘している。都内23区の区長でつくる特別区長会でも、総務大臣へ制度を改正するよう要望をしている。

 また、制度の導入以降、返礼品競争が激しくなっていたことを受け、総務省は2019年6月、自治体からの返礼品を「寄付額の3割以下の地場産品」に制限し、従わない自治体を税優遇の対象から外す新制度に移行。これによって一定程度、問題は沈静化されたが、今年に入ってからも宮崎県都農町と兵庫県洲本市が基準違反で除外された。さらに6月には、返礼品の代わりに現金を還元する仲介事業者が問題となり、自治体が事業者を利用するのを禁止とした。

 金子恭之総務大臣はこうした自治体からの批判について7月29日の記者会見で問われ、「ふるさと納税が地域経済の活性化につながっていることも事実。現行制度のもとで今後とも適正に運用されるよう取り組んでいく」と述べている。

<タックスワンポイント>路線価の発表は相続税にどう影響する?  路線価イコール評価額ではない

 毎年7月になると相続税路線価が公表される。相続税路線価はその名前の通り、一定の範囲内の道路(路線)に面した土地を評価するものだ。国土交通省が毎年3月に発表する「公示地価」の8割程度の価額が目安とされ、今年1月1日から12月31日までの間に相続や贈与で受け取った土地に、今回発表された路線価を基にした税額が適用される。相続税路線価の上昇は、土地所有者の税負担増を意味しているとも言える。

 もっとも相続税路線価は相続税の税額計算に使われるが、路線価がそのまま価額となるわけではない。同じ道路沿いにある同じ面積の土地でも、その形状や利便性は場所によって異なるからだ。具体的に路線価から評価額を計算するときには、「奥行」と「間口」に応じて補正率をかけ合わせることになる。奥行が極端に短かったり、間口が狭すぎたりするケースでは土地の使い勝手が悪いとして評価額が減額される。他にも土地が台形であるケースや傾斜地であるケースでも、減額補正がされることになる。逆にプラスの補正がかかるのは、角地や2つの道路に挟まれている土地で、これらの土地は利便性が高いと判断され、評価額も高くなる。ただしこうした補正を適用できるか否かは評価者によって判断の分かれるところで、国税当局と納税者の間でも争いになりやすいポイントだ。減額されると思い込んで相続対策を怠ると痛い目をみる可能性もあるので気を付けたい。

 路線価が表すのは、あくまで土地の値段であり、その上に何が建っているかはまったく関係ない。この仕組みを利用した相続税対策の一つに、いわゆる「タワマン節税」がある。マンションを評価する際にも相続税路線価が使われるが、そこに階層の違いはなく、評価額は1階でも30階でも同一となる。しかし実際には眺望がよい高層階ほど高い値段が付く。そこで相続前に高価格の高層階を購入しておき、1階と同負担の相続税を支払った上で売却して差額を得るという方法だ。もっともタワマン節税に対しては国税当局が厳しく目を光らせていて、あまりにも実売価格と評価額に大きな開きがあるケースに対して、「著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する」という個別規定、いわゆる「総則6項」を使って厳しく取り締まっている。タワマン節税を考えている人は、こうした否認リスクまで考慮した上で、活用を検討すべきだろう。

2022年26号(2022/8/5)

<タックスニュース>マイナンバーカード未取得者に3度目の要請  「利便性向上が先」の声も

 普及率が伸び悩むマイナンバーカードの普及を目指し、政府は未取得者に対して、QRコード付きの申請書を発送し取得を呼び掛けることを決めた。同様の取り組みはこれで3度目となる。今年度中にほぼ全国民への普及を目指す国はあの手この手を講じるが、「取得率を上げるためにはカードの利便性向上が先」との声も聞こえてくる。

 マイナンバーカードを普及させるべく、政府が躍起だ。6月30日からは、最大で2万円分のポイント還元が受けられる「マイナポイント第2弾」が始まった。だがそれでも7月24日時点まででカード取得率は45.7%にとどまっているのが現状だ。制度開始直後の低調ぶりからすれば長足の進歩だが、今年度中にほぼ全国民にカードを行き渡らせるという岸田政権の目標からすれば進捗ははかばかしくない。

 こうしたなか総務省は、カードを取得していない約5500万人を対象にQRコード付きの申請書を送ることを決定した。すでに26日から開始し、9月上旬までかけて発送を行うという。申請書に書かれたQRコードをスマートフォンなどで読み取り、メールアドレスや生年月日を入力、顔写真データを添付すれば申請できる仕組みだ。返信用の封筒も同封され、郵送でも申請できる。

 未取得者に対する申請書の郵送はこれで3度目だが、そもそも取得率が伸び悩む原因はカードの利便性が低いためとの声も多い。

 財務省が7月26日に公表した予算執行調査では、過半数を超える自治体からカードの利便性向上を求める声が寄せられた。自治体からは「マイナンバーカード利活用の幅が少なく、マイナンバーカードに興味を持っていない市民に対し取得するメリットを伝えられない」、「取得ばかりに専念してもカードの普及には限界が来るので、利便性向上に向けたシステムづくり、そして広報を進めていき、取得から利用へとつなげることが重要である」、「カード取得後のメリットや社会の未来像などを継続して周知・広報していくことが課題」などの声が上がった。これを踏まえ調査では、「自治体の申請・交付体制の強化を図るのみならず、政府全体としてカードの利便性向上等をできる限り早急に図るべきではないか」と厳しい評価が下されている。

<タックスワンポイント>ふるさと納税の返礼品にも税金はかかる  高額納税者の恩恵と注意点

 テレビや雑誌などでは、ふるさと納税制度について「寄付をすると、わが家でも高級な牛肉が食べられます」などと、低所得~中所得世帯にとってありがたい制度のような説明をしていることが多い。しかし同制度で本当に得をするのは間違いなく高所得者層だ。

 その理由は、同制度の「寄付上限」の仕組みにある。ふるさと納税は、自分の住む地域以外に寄付をすると、手数料2千円を差し引いた残額が本来住んでいる土地に納めるべき住民税などから差し引かれるという制度だ。だが差し引かれる額には上限があり、住民税のうち所得割額の20%を超えた寄付は、何の税優遇も受けられない純然たる寄付となってしまう。

 仮に寄付上限100万円の人が満額を寄付したとすると、98万8千円分は本来自分が納める税額から差し引かれることになる。この「2千円負担」は所得にかかわらず一律なため、2千円を引いた額が多い、つまり所得が多い人ほど税金と相殺できる額も多いわけだ。

 もっとも、ここまでなら所得による「差」は生じない。どこか自治体に寄付をすると、寄付した分だけ本来納めるべき税金が差し引かれるというだけで、損も得もそこにはない。しかし「返礼品」が絡むと話は変わってくる。寄付金額の多寡を問わず、寄付者の実質負担は2千円で変わらない。にもかかわらず、寄付金額が高ければ高いほど返礼品の内容は豪華になる。これが、高所得者こそがふるさと納税制度の恩恵を最大限に受け取れるという理由だ。

 ただし高額納税者は、返礼品の「税金」に注意を払わなくてはいけない。ふるさと納税の返礼品はれっきとした収入に当たり、所得税の対象となる。税金がかかる境界線はずばり50万円で、受け取った返礼品の価値が50万円を超えるなら、所得税が課される。注意が必要なのは、返礼品が50万円以下であっても必ず非課税になるとは言い切れない点だ。非課税になるのは、返礼品などが含まれる所得税法上の「一時所得」の総額が50万円以下の場合に限られる。返礼品以外の一時所得があるなら、その分が加算され、50万円を超えると課税対象になってしまう。

 難しいのは、返礼品に値札が付いているわけではないので、いつ50万円を超えたかが分からないことだろう。こればかりは自治体に聞くしかないらしく、どうも50万円を超えていそうだと思うなら、返礼品の価格を直接問い合わせるしかない。面倒くさいが、過去にはふるさと納税の返礼品収入に税務調査が入った例もゼロではない。気持ちよく返礼品を受け取るためにも、税務面はクリアにしておきたい。

2022年25号(2022/7/22)

<タックスニュース>インボイス制度の理解  経理マンでわずか3割

 2023年10月に始まるインボイス制度(適格請求書等保存方式)について、「理解している」と答えた経理・財務担当者が3割にとどまっているとの調査結果を、クラウド会計ソフト開発のfreeeが公表した。

 インボイス制度への理解度に自信のある担当者は、「深く理解している」(4.7%)、「理解している」(27.6 %)と合わせて32.3%だった。法人の規模別に見てみると、大企業では39.7%が理解しているが、中堅企業では33.1%、小規模企業では24.7%となっており、freeeは「インボイス制度で不利益を受けやすい小規模法人で理解が進んでいない」と問題視している。

 インボイス制度について知っている内容を問う質問では、「インボイスを発行するには税務署への申請が必要」(47.3%)、「課税事業者のみインボイスを発行できる」(38.9%)など、インボイスを発行する売り手側の対応については一定の認知が進んでいるという。一方、「3万円未満の支払でもインボイスを保存しなければならない」(21.5%)、「免税事業者との取引について、仕入税額控除の経過措置が設けられている」(19.4%)など、インボイスを受け取る買い手側の対応については理解度が低い傾向が見られた。

 調査は法人に勤めている経理・財務担当者490人を対象に実施したもの。

<タックスワンポイント>「おしどり贈与」を使わない方がよいケース  不動産取得税や免許税に注意

 結婚して20年以上の夫婦間での住宅や住宅資金の贈与は、贈与税の年間控除枠の110万円に加え、別枠で2千万円までを課税対象から除外する特例を利用することが可能だ。この特例は、雌雄が常に一緒に過ごすとされるおしどりの名前から“おしどり贈与”とも呼ばれる。長期にわたって一緒にいるからといって必ずしも仲睦まじい関係を続けられているとは限らないが、税負担が減るのであれば税特例を活用したい。

 ただ、制度を利用することでかえって支出が増えることもある。住宅の贈与の際に掛かる不動産取得税や登録免許税、専門家への報酬を合計すると何十万円もの支払いが生じることを踏まえたうえで制度を利用する必要がある。

 まず、住宅を贈与で受けた人は名義変更の際には土地や住宅の固定資産税評価額の3%分の「不動産取得税」を支払わなければならないが、これに対して相続で住宅を受け取れば、不動産取得税はかからない。

 さらに所有権の移転登記にかかる「登録免許税」は、贈与で住宅を受け取れば不動産の価格の2%だが、相続なら0.4%に下がる。いずれも相続より贈与で受け渡した方が高くつく。

 このほかにも、贈与の際に税務申告や登記手続きの代理を税理士や司法書士に依頼し、その後に相続が発生した際にも再び専門家に依頼するとなると、贈与をせずに相続時だけに手続きの代理を依頼した人と比べて支払う報酬総額が割高になりやすい。

 そもそもおしどり贈与の目的は生前に無税で贈与することで将来の相続税の負担を減らすことにあるが、夫婦間の相続では1億6千万円までの相続財産には相続税が課税されないため、生前贈与をしなくても相続税がゼロとなる可能性は十分あり得る。

 ちなみにおしどり贈与は、同じ相手につき一度しか使えない。利用した後に離婚して別の相手と再婚をすれば適用が可能だが、さらに20年の歳月が必要となる。

2022年24号(2022/7/14)

<タックスニュース>相続税路線価が2年ぶりに上昇  最高価格は37年連続で「鳩居堂前」

 国税庁は7月1日、2022年分の相続税路線価を公表した。全国平均は前年分を0.5%上回り、コロナ禍でマイナスに落ち込んだ前年から再び上昇に転じた。感染者数が減少し、コロナ禍の影響から回復しつつある状況だ。ただインバウンド需要が戻りきっていない観光地やテレワーク増加でかげりの見えるオフィスエリアなどでは下落が続く地点も多く、今後は見通せない。

 都道府県別では、地方を中心に27県で下落した一方、前年より13都府県多い20都道府県で上昇した。最も伸び率が高かったのは北海道がプラス4.0%で、福岡3.6%、宮城2.9%と続く。東京や大阪、愛知など前年はマイナスだった都市圏も多くが上昇に転じた。

 また都道府県庁所在地の最高路線価をみても、前年より7都市多い15都市で上昇している。最も上昇幅が大きかったのは駅周辺の再開発が進む千葉市のプラス5.1%。以下、札幌市4.8%や広島市3.5%が続いた。

 路線価の全国1位は、37年連続で東京都・銀座5丁目の文具店「鳩居堂」前にある銀座中央通りだった。ただし価格は1平方メートルあたり4224万円で、9年ぶりに下落した昨年からさらに1.1%下落した。

 相続税路線価は、毎年1月1日時点での一定の範囲内の道路(路線)に面した土地を評価するもので、国税庁が1年に1度この時期に公表している。国土交通省が毎年3月に発表する「公示地価」の8割程度の価額が目安とされ、今年1月1日から12月31日までの間に相続や贈与で受け取った土地に、今回発表された路線価を基にした税額が適用される。相続税路線価の上昇は、そのまま相続財産としての価値の増加につながるため、全国的な上昇傾向は土地所有者の税負担増を意味しているとも言えるだろう。路線価には、各市町村が原則3年ごとに発表して固定資産税の算定基準とする「固定資産税路線価」もあるが、一般的に「路線価」と言えば、相続税路線価を指すことが多い。

<タックスワンポイント>業務中の駐車違反、罰金の税務処理  レッカー費用は損金算入が可能

 駐車違反に対する罰金は、かつては運転者だけが払うものだった。しかし、2006年の道路交通法改正で「放置違反金」という制度が登場し、現在では運転者が払わない時には、車検証に記載された「所有者」が罰金を払うことになっている。これが社用車であれば、その所有者、つまり会社が支払い義務を負うことになる。

 もし従業員が業務時間中に駐車違反でキップを切られてしまったら、会社としてはどう対応すべきか。結論から言ってしまえば、法律で「業務中の交通違反の罰金は会社が払わなければならない」という規定があるわけではないので、従業員の違反に対する罰金を払ってあげるかどうかは会社による。もっとも客回りをメイン業務とする営業マンなどは、どうしても路上駐車をしがちになってしまうこともあり、よほど従業員に過失がない限りは会社負担としている所も多いのではないだろうか。

 社用車の交通違反で発生した反則金やレッカー費用を会社が負担した時の会計処理には、「業務上の必要性」が大きく関わってくる。例えば交通違反の内容が業務の遂行に関連があると認められれば、会社が負担した交通反則金は、会社自身に課せられた罰金と同様に取り扱い、損金には算入できない。その理由は、罰金を損金として認めてしまうと違反者に対する罰則の効果がなくなるからだと言われる。ただしレッカー費用については、実費負担という意味合いから罰金扱いにはならず、業務に関係ある交通違反でも損金算入が可能だ。

 一方、交通違反の内容が業務の遂行に関連がないのであれば、罰金は駐車違反した個人が負担すべき費用ということになる。レッカー費用も同様で、これらの支出を会社が負担すると、その従業員への「給与」とみなされる。もちろん給与である以上は従業員個人には所得税が課されるが、会社にとっては損金算入ができる支出ということだ。一点注意したいのは、罰金を肩代わりしてもらったのが役員だと、臨時の「役員報酬」扱いとなってしまうことだ。この場合、肩代わりした罰金やレッカー代は会社の損金に含められず、役員の所得税も増えることとなるので気を付けたい。

2022年23号(2022/7/8)

<タックスニュース>仲間由紀恵さんは7000万円の稼ぎ  芸能界でも人気の軍用地投資

 沖縄県出身の女優の仲間由紀恵さんが、地元沖縄の「軍用地投資」で約7000万円の収入を得ていると、週刊新潮が報じた。同じ沖縄出身の芸能人で現参院議員の今井絵理子氏も軍用地投資をしていることも報じられている。数多くの芸能人が手を出している「軍用地投資」は、相続対策として富裕層からも注目されている。

 週刊新潮によれば、仲間さんは2007年に沖縄県浦添市の米軍基地キャンプ・キンザー内の北東部に位置する800平方メートルほどの土地を、所属する事務所と共同で購入した。キャンプ・キンザーは2年後からの返還が予定されていることから、浦添市が跡地利用のために昨年購入し、その際に仲間さんは約7000万円の売却益を得たという。

 自衛隊や米軍の基地などが建つ「軍用地」は、すべてが国有地というわけではなく、一部は民間の法人や個人から借り上げて利用するという形をとっている。その際にはもちろん賃料が発生するので、それを目当てに軍用地をわざわざ購入する不動産オーナーも多い。

 通常の賃貸アパートなどへの投資と比べた時に、軍用地を選ぶメリットとしては、空室リスクが存在せず確実に国から安定した賃料収入が得られること、そのため銀行からの担保評価が高くお金を借りやすいこと、賃料に当たる借地料が定期預金の金利の3倍前後のペースで上がり続けること、修繕・リフォームといった維持費がほとんどかからないことなどがある。また軍用地は通常の事業用地に比べて固定資産税評価額が低く計算されるルールがあるため、それを基に算出する相続税も大幅に抑えることができる点も人気の秘訣だ。

 こう聞くと良いことずくめな気がするが、もちろん欠点もある。軍用地は国の防衛戦略によって成り立つだけに、将来的に日本や米国の政策変更によって返還される可能性を常にはらんでいる。返還後に大規模リゾート施設建設などの計画があるなら、今回の仲間さんのケースのように多額の売却益が見込めるが、そうでなければ「原っぱ」に戻ってしまう可能性もゼロではない。また単純に利回りだけを見ると、軍用地の表面利回りは平均2%前後と、通常の賃貸アパートにかなり見劣りするという短所もある。そして軍用地の面積は限られているため、既存のオーナーが手放したとしても、すぐ買い手がつき、なかなかオーナーになることが難しいということもあるだろう。

 総じて利回りは低いものの安定性が高く、相続税対策として有効というのが、軍用地投資の特徴だ。将来の相続税対策を見込んだ長期保有を目指して、軍用地が売りに出るチャンスを狙っている投資家は少なくない。

<タックスワンポイント>長年貯めたへそくりが相続税の対象に  配偶者控除は申告が前提

 結婚後ずっと収入がない妻の名義となっている高額な預金が「名義預金」と判断され、実質的に夫の財産だったとして相続税がかかることがある。これはへそくりについても同様に考えてよい。夫に先立たれた専業主婦が、コツコツ貯めたへそくりを生活費に充てようとしたところ、税務署から待ったがかかってしまう可能性はゼロではない。

 性善説に立てば、コツコツと貯めた妻の資産であるが、当局からすれば、亡き夫が将来の相続税の軽減を意図してあらかじめ妻名義の口座へ振り込んでいたと考えることもできる。夫の稼いだ財産を妻が勝手に自分の名義の口座に隠していたという仮説も成り立つだろう。

 仮に夫とのあいだで「余った生活費は君が自由に使っていいよ」という口約束があったとしても、それだけをもって妻の財産と認めさせるのは難しい。同様に子ども名義の預金であっても、年齢の割に高額であれば、やはり名義預金とされる可能性が高いといえる。

 こうした税負担を避けるには、やはり適正に贈与契約を結んで贈与を実行していることが望ましい。正当な贈与であれば、年間110万円までなら課税されることはない。ここでいう「正当な」とは、贈与契約書を作成することだけではなく、贈与後はお金をもらった者が預金通帳、銀行印、キャッシュカードを管理して、お金を独自に運用しているなど、名義だけではなく実質的にお金をもらった者にその財産が管理、運用されている状態になっていることだ。

 なお相続税では、1億6000万円までの配偶者控除が認められている。だからといって、へそくりを含めた財産がそれ以下だと何の対策もしない人がいるが、この配偶者控除はあくまでも申告書を提出することが前提であることを忘れないようにしたい。

2022年22号(2022/7/1)

<タックスニュース>競馬所得で巨額追徴のじゃい  国税当局に不服申立て

 競馬の当選金に対して多額の追徴課税処分を受けたお笑いトリオ・インスタントジョンソンの「じゃい」が、国税不服審判所に不服申し立てを行ったことを明らかにした。異議が認められる可能性が低いことは認識した上で、「自分が声を上げることで一つの提言にしたい」と思いを語った。

 じゃいは、2020年12月に競馬の予想を的中させ、6410万円の払い戻しを受け、それをユーチューブの自身のチャンネルで報告していた。その後、競馬で得た所得について確定申告を行ったが、ハズレ馬券の購入費用を所得から差し引いていたことから税務調査を受け、高額の追徴課税を受けた。その額は「マンションを買えるくらい」だったという。妻や親から借金をして納税をしたといい、税制への不満をあらわにしていた。

 今回の不服申立てについて、じゃいはスポーツ紙の取材に対して、「当たっても税金を取られてマイナスになるなら、競馬をやる人がいなくなる」と懸念。「正直、裁判はしたくないけど自分が動くことで何か変われば。30年以上楽しませてもらっている競馬界を盛り上げたい」と話した。じゃいのもとには弁護士費用などとして約6000人から260万円を超える寄付が集まっているという。

 ただ今回の申し立てで、異議が認められる可能性は限りなく低い。競馬に限らず公営ギャンブルの当選金は所得税法上、原則として懸賞金や拾得物の謝礼などと同じ「一時所得」に該当し、経費として申告できる金額はごく一部に限られている。競馬の当選金が一時所得に当たらないと認められる例外もあるが、網羅的な馬券購入、恒常的な利益計上など厳しい条件が設けられていて、今回のケースはこれらに該当しないとみられる。じゃいは勝率の低さは認識した上で、公営ギャンブルを巡る税制議論に一石を投じる狙いだ。

 競馬の税金に対しては、ハズレ馬券の扱いだけでなく、そもそも「二重課税」との声もある。馬券購入者は購入時に約10%の国庫納付金の“テラ銭”を払っているため、このテラ銭が差し引かれた当たり馬券に対して所得税を課すのは、二重課税に当たるとの見方だ。

<タックスワンポイント>利用者増えるiDeCoのリスクとは  減らすべきはやっぱり「固定費」

 老後の資産形成を助ける手法として、iDeCo(確定拠出年金制度)の利用者が増えている。最大の特徴は何といっても掛金として払い込んだ全額が所得から控除されることで、さらに積立金で得た配当や利子も非課税、受給時にも手厚い税優遇が付いてくるのがiDeCoの魅力となっている。

 とはいえ、iDeCoも様々な注意点がある。まずiDeCoには「加入できるのは65歳未満」という年齢上限が設けられている(今後上限は引き上げ予定)。また、あくまで老後の資産を積み立てるものであるという理由から、現在は60歳になるまで払い出しができない。

 さらに勘違いしやすいのが、iDeCoはNISAと異なり、税優遇はあっても受取時の所得税は免れないということだ。退職金として一度に受け取れば退職所得控除、年金として少しずつ受け取れば公的年金等控除という優遇は受けられるものの、所得税自体はかかるため、他に受け取る退職金や年金が高額だと、iDeCoについては税優遇をまったく受けられないということもあり得る。

 そしてiDeCoは年金制度といっても、実際にやることは投資だ。大きく得をする可能性がある一方で、損をするリスクも存在するわけだ。老後のために積み立てたお金がなくなってしまう可能性もゼロではないことを忘れてはいけない。

 ではiDeCoで利益を出すためには何が重要だろうか。もちろん価値が上がる銘柄や金融商品が分かれば苦労はないが、そんなことが可能であれば、iDeCoを使わなくても大富豪になれるだろう。神ならぬ人の身としては、堅実に〝固定費〟を減らすことを考えたい。家計を見直す時も最初にチェックするのは月々の固定費であるように、投資の世界でも固定費の削減は安定した利益形成の第一歩だ。そしてiDeCoにおける固定費とは、証券会社などに払う「手数料」に他ならない。

 手数料には加入時にかかる料金以外にも、月々の口座管理手数料、さらには金融商品ごとの商品手数料や信託報酬というものもある。ひとつひとつは少額でも、積み重なれば小さくないランニングコストとなり、長期間をかけて財産を形成していくiDeCoにとっては無視できない負担となるので気を付けたい。

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