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2026年27号(2026/7/16)

<タックスニュース>国の税収、12%増の84.2兆円  80兆円の大台突破は初

 財務省が7月3日に発表した2025年度の「一般会計税収の予算額と決算額(概数)」によると、国の税収は前年度比12.0%増の84兆2226億円で、初めて80兆円の大台を超えた。金額としては前年度比8兆9905億円増えた。6年連続で過去最大を更新し、昨年末時点での見積もりよりも3兆5246億円上振れした。

 25年度の税収は、昨年11月に補正予算を組んだ時点では80兆6980億円を見込んでいた。法人税収は前年度比21.4%増の21兆7450億円で、金額では3兆8348億円増加。バブル期以来の高水準で税収全体の伸びをけん引したかたちとなっている。

 源泉所得税収は前年度比22.8%増の20兆5405億円で、金額では3兆8204億円増えた。申告所得税収も同5.1%増の4兆7160億円と好調に推移した。消費税収は物価高を反映して同4.0%増の26兆278億円で、金額では1兆65億円増えた。

 相続税収は前年度比8.6%減の3兆853億円。国際観光旅客税収は訪日外国人観光客の増加を背景に同10.7%増と高い伸びを示し、過去最大の581億円となった。金額では昨年度より56億円増えている。税収の上振れ分に、予算計上したものの使われなかった歳出の「不用」分や「税外収入」などを加えた「決算剰余金」は6兆6119億円。このうち公債金の償還に3兆円を充て、地方交付税交付金等財源に1兆32億円を積み増す。このため純剰余金は差し引き2兆6088億円となった。

<タックスワンポイント>絶対に避けたい重加算税  複数のデメリット

 税務調査で申告漏れが発覚したときのペナルティーのうち、最も税率が高い重加算税は、税額の不足に関して故意に不正を働いたと判断された場合に課される税金だ。重加算税が課される典型例は2種類のパターンがあり、税金の計算に関わる事実をあえて隠す「隠ぺい」があった場合と、事実とは異なる状況を装う「仮装」があった場合だ。

 実際に重加算税を課されてしまうと、納税者は複数の深刻なデメリットに直面する。前述のように重加算税はほかの加算税よりも税率が高く設定されていることに加え、延滞税も高くなる。延滞税は、納期限を過ぎてしまった場合に課され、通常は納付期限から1年間のみで、1年間を超えた期間については上乗せされない。だが重加算税は例外的に、納付が遅延している間は際限なく延滞税が課されてしまう。

 さらに、将来に税務調査を受ける確率が跳ね上がる。国税当局は昨今の人員不足を背景に税務調査の効率化を図っていて、取り組みの一環として過去に不正のあった法人を重点的に調査していくことを明らかにしているのだ。

2026年26号(2026/7/9)

<タックスニュース>相続税路線価 5年連続上昇  3年連続で過去最高更新

 国税庁は7月1日、相続税や贈与税の算定基準となる2026年分の路線価(1月1日時点)、いわゆる"相続税路線価"を発表した。全国約31万1千地点を調査して算出したもの。標準宅地の評価基準額は全国平均で前年比2.9%上昇した。上昇は5年連続。現在の算出方法となった10年以降では最大の伸び率となり、3年連続で過去最高を更新した。

 都道府県庁所在都市の最高路線価をみていくと、全国47都市のうち最高路線価が上昇した都市は44都市、横ばいの都市は3都市で、下落した都市はなかった。下落した都市がなかったのは1991年以来、35年ぶり。

 全国の税務署別で最高路線価の対前年上昇率が最も高かったのは、長野県白馬村(大町署)の32.7%で3年連続のトップ。2位は長野県野沢温泉村(信濃中野署)の31.3%、3位は北海道富良野市(富良野署)の28.0%だった。対前年下落率が最も高かったのは、石川県輪島市(輪島署)のマイナス8.6%。北海道江差町(江差署)の同6.3%、奈良県大淀町(吉野署)の同5.9%がこれに続いた。

 路線価の最高額は東京・中央区銀座の「鳩居堂」前で、1平方メートル当たり5336万円。41年連続トップで前年比11.0%上昇し、過去最高を更新した。1万円札1枚当たりの面積では約64万9千円、A4用紙1枚当たりの面積では約332万8千円となる。

<タックスワンポイント>家賃滞納でも売上に計上すべし  貸倒損失の処理はお早めに

 家賃収入は、賃借人と取り決めている毎月の支払日に計上する。大家にとって辛いのは、たとえ滞納があっても、会計上は支払日には家賃を受け取ったものとされて売上計上しなければならず、税金がかけられるということだ。

 もし滞納が長期間続けば、受け取ってもいない家賃に税金をかけられ続けるのはたまらないので、実務上は家賃の回収が不可能な状況を客観的に示す証拠を用意するなどして「貸倒損失」として計上し、損失を確定させることとなる。不動産運営が事業的規模であればその年の経費として、事業的規模でなければ収入があったとした年までさかのぼって更正の請求が必要だ。

 なお、支払日を決めていない賃貸借契約なら、収入は実際に支払いを受けた日に計上する。数年分の家賃をまとめて受け取ったのであればその全額を受け取った年の収入金額として申告する。

2026年25号(2026/7/2)

<タックスニュース>外国通貨同士の交換で得た為替差益  最高裁「課税対象になる」と初判断

 外国通貨を別の外貨に交換した際に生じた「為替差益」は課税対象の所得となるのかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷(林道晴裁判長)はこのほど、「課税対象になる」との初判断を示した。国税当局の実務に沿った判断だといえる。課税した国税側の勝訴が確定した。日本円に戻さなくても、別の外貨を取得した時点で収入の権利が確定すると結論付けた。審理した裁判官5人全員一致の意見。

 判決によると、原告は2014年、スイスの銀行の口座に105億円を預けて運用を一任。銀行はこれを外貨に替え、さらに別の外貨などに交換した。東京国税局は18年、円安の進行などで為替差益が生じているのに、原告が所得を申告していなかったと指摘。14、15年分の所得について約9億3千万円の申告漏れがあったと判断した。

 原告は銀行に一任していた取引での所得はないという認識で確定申告した。だが、国税当局は為替差益が「雑所得」に当たると判断し追徴課税した。原告は20年、課税処分の取り消しを求めて提訴。「取引後も、円に払い戻すまでは為替相場の変動リスクが残っており、最終的な利益は確定しない」と主張し、課税は違法だとして訴えた。

 最高裁は、「日本円との関係で為替相場が変動する外貨は、外貨同士の取引が行われた時点で経済的価値が固定化」されると判示し、円換算額が所得税法の「収入すべき金額」になると指摘。円換算額から経費相当分を控除した金額が所得に当たるとする初判断を示し、原告側の上告を棄却した。一審、二審での判決も、国税側の更正処分は適法として原告側の請求を退けており、国税側の勝訴が確定した。

 ただし、林裁判長ら3人は共同の補足意見で、今回の判決は為替差益の課税に明文規定がない現行法を前提とした「解釈論にとどまる」と言及。「租税法律主義の観点から望ましい状況とは考えられないし、日本の租税政策に対する国際社会からの信頼を損なう現象が出てくる可能性も否定できない。必要な法的手当てを講じていくことが強く望まれる」と付言した。

 外貨建てした金融資産を日本円に払い戻した際には、差益に課税されるのが一般的だが、外貨同士の取引の場合は明確な基準がない。所得税法には、為替差益の課税時期を具体的に定めた規定がないため、課税の是非が争われる事案が増えている。国税当局は課税対象とする運用を続けており、実務を追認する司法判断になったといえる。

<タックスワンポイント>40万円未満の減価償却資産  すぐに損金、でも毎年税負担発生

 さほど値の張らない減価償却資産を取得したときには、次の3種類の税の制度を選択適用することができる。(1)20万円未満の一括償却資産 (2)10万円未満の減価償却資産 (3)中小企業者等の少額減価償却資産の特例の3つだ。

 (1)の制度は、取得した資産の価額が20万円未満であれば、本来の法定耐用年数にかかわらず、3年間に分けて減価償却してよいというものだ。(2)の制度は、取得資産の価額が10万円未満であれば、全額を取得したその年の損金に含められる。そして(3)の制度は中小企業に限り、(2)の制度の上限額を40万円未満まで引き上げるというものだ。年間300万円までという制限はあるものの中小企業だけが利用できる税優遇となっている。

 それであれば、40万円未満の減価償却資産についてはとりあえずすべて(3)の特例で処理しておけば簡単に思えるが、実は(1)(2)と(3)の特例では、大きな違いがもう一つある。償却資産には自治体が課す「償却資産税」が毎年かかる。税率は原則「評価額×1.4%」となっており、資産の数が多ければ毎年の税負担は決してばかにならない。だがこの償却資産税は、(1)と(2)の制度が適用された資産には原則として課されないというルールがあるのだ。

 一方、たとえ本来は(1)に当てはまる資産であっても、(3)の特例を適用した場合には償却資産税が課されてしまう。つまり目先の全額損金化を優先して(3)ばかりを使っていると、本来は生じなかった償却資産税という負担が発生してしまうわけだ。

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