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2020年18号(2022/5/20)

<タックスニュース>兵庫県洲本市のふるさと納税  “違反返礼品”に駆け込み寄付

 ふるさと納税の返礼品基準に違反したとして4月26日に制度からの除外が決定した兵庫県洲本市で、税優遇を受けられる最終日である4月30日までの5日間で500件以上の駆け込み寄付があったことが分かった。還元率の高い返礼品が制度の人気につながっていることを皮肉にも証明したかたちだ。

 同市は、昨年10月から寄付に対する返礼品として、地元旅館で仕える温泉利用券を用意。その際に寄付額10万円に対して5万円分の返礼品として提供していた。同市は、旅館に支払う5万円のうち2万2500円を手数料として、総務省の定める「調達費」から除外していたが、このほど同省は手数料も合計した金額が調達費に当たると認定し、ふるさと納税制度からの同市の除外を決定した。返礼品基準に違反して除外を受けたのは高知県奈半利町、宮崎県都農町に続き3例目。次に制度に復帰できるのは2年後の2024年5月からとなる。

 問題となった温泉利用券に対しては1万2千件超、計約18億円の寄付が寄せられていた。同市は除外決定の処分を受け、寄付者からの問い合わせを受けるコールセンターを設置し、ゴールデンウィークの連休中も対応に当たった。寄付者からは「寄付した分の税優遇は受けられるか」、「過去の寄付に対する返礼品は送られてくるのか」などの質問が寄せられたという。

 また除外処分の対象は5月以降であるため、処分が報じられた4月26日からは数日の猶予があった。この間の寄付については税優遇が受けられるため、高返礼率を求めた“駆け込み寄付”が500件以上あったという。

 ふるさと納税を巡っては、自治体間の返礼品競争が過熱したことから、総務省が19年に、「寄付額の3割以下・地場産品のみ」とする基準を設けた。だがその後も、特産品のある自治体とそうでない自治体の間で格差が生まれるなど新たな問題も生じているのが現状だ。

<タックスワンポイント>生前贈与よくある7つの誤解  間違った贈与で重い税負担も

 生前贈与について正しく理解している人は意外に少ない。ここではよくある7つの「誤解」を紹介してみよう。

(1)毎年110万円以内なら税金はゼロ

 年間110万円までの贈与であれば、何回でもできると考えがちだが、税法上では10年にわたって毎年行う110万円の贈与は、1100万円を10年に分割して贈与したとみなされる。つまり1100万円をベースとした贈与税がかかることになる。これを防ぐには毎年贈与契約書を作って公正証書とする手がある。

(2)確定申告書が証拠になる

 実際に親子の間などでわざわざ契約書を交わす人は少ない。だがいざ当局に証明を求められた時、贈与の証拠は必要になる。連年贈与とみなされたときはなおさらだ。その際、確定申告書は贈与契約書の代わりにはならないので注意したい。確定申告書は贈与の定義である「あげます」「もらいます」の書類ではないためだ。

(3)贈与として預金名義を替えた

 いわゆる「名義預金」も問題になりやすい贈与形態だ。名前だけ替えても、実際の運用や管理が元のままでは贈与とは認められない。

(4)余命宣告後に急いで贈与した 

 医者から余命1年と宣告され、相続税を逃れるためにあわてて子どもに財産を贈与しても、それはなんの意味もない。死亡前3年間のドタバタ贈与は、相続財産に繰り戻されるからだ。非課税枠の110万円未満であったとしても相続財産に加算される。

(5)教育資金贈与特例で喜んでもらえる

 贈与額が数百万円程度の少額であれば、無税でも受け取った側の労力が大きくなる。税金がかかっても現金でもらって自由に使えるほうがラクと感じる現役世代は多い。

(6)相続時精算課税制度なら申告不要

 相続時精算課税制度は、いったん選択すると二度と暦年課税は選択できない。つまり、その後に孫へ1万円の小遣いをあげたときでも相続時精算課税制度の対象となり、贈与税の申告が必要になる。

(7)二次相続を考えて孫にも贈与する

 子どもが高齢であれば、孫への相続も近い将来必ず起きる。二重に発生する相続税を避けるために孫へも贈与する人が増えているが、現実には良いことばかりではない。おじいちゃんは財産を持っているからこそ大事にされるという悲しい現実がある。早々に丸裸になって距離をとられないよう慎重に。

2020年17号(2022/5/17)

<タックスニュース>iDeCoの75歳の受け取り開始が可能に  企業型との併用要件も緩和

 加入者が自身の希望する額の掛金を拠出して運用し、老後の資産を形成する個人型の年金制度「iDeCo」で、今年4月から様々な制度改正が行われている。年金を受け取る年齢はこれまで遅くても70歳だったのが75歳まで拡大されたほか、今年10月からは企業型確定拠出年金に加入している人が加入しやすくなる。

 改正点の1つ目は、老齢給付機の受給開始年齢が、これまでの60~70歳から、60~75歳に拡大されたことだ。公的年金の繰り下げ受給が75歳までとなることに合わせて見直された。受給開始を遅らせると、それだけ長く非課税で運用できるというメリットがある。

 2つ目は、これまで60歳未満とされていた加入年齢が、65歳未満まで5年引き上げられた。60歳以降も働く会社員や、60歳以降も国民年金の被保険者である自営業者などがiDeCoに加入できるようになる。

 3つ目は、すでに企業型確定拠出年金(企業型DC)に加入している会社員が、個人型確定拠出年金であるiDeCoに加入するための要件が緩和される。現在も同時加入は可能であるものの、勤め先が規約で併用を認めていることなどが求められ、ハードルが高かった。今年10月からは、加入者本人の意思だけでiDeCoに加入できるようになる。同時加入する場合、iDeCoの掛金と会社の掛金の合計は5万5千円だ。

 そのほか、終了した確定給付企業年金からiDeCoへの年金資産への移換ができるようになっている。また今後も、2024年からは拠出限度額が引き上げられたり、脱退一時金の支給要件が緩和されたりするなどの見直しが予定されている。

<タックスワンポイント>確定申告忘れの還付期限は翌年から5年間  それでもなるべく申告期限内に

 今年の確定申告は、新型コロナウイルスの影響やe-Taxのトラブルなどもあって4月15日まで個別延期が可能となった。だがそれでも様々な事情で、どうしても還付のための申告が期限内にできなかったということもあるだろう。そういう人のために、税法では「還付申告」という制度を設けている。

 還付申告をするのは、「しまっておいた医療費の領収書が後から出てきた」、「昨年末に組んだ住宅ローン申告が間に合わなかった」、「保険や高額療養費の金額が確定しなかった」、「退職したことで年末調整しないままだった」、「地震や風水害で自宅や家財に被害があったのに忘れていた」、「ふるさと納税についてワンストップ特例の申請も確定申告もやっていない」といった人だ。

 還付申告についてまず気を付けたいのが申告期限の計算だ。還付申告は、通常3月15日までとなっている確定申告期間とは関係なく、その年の翌年1月1日から5年間とされている。注意点として、あくまで翌年の正月から5年間であり、「3月15日の確定申告期限」ではないという点がある。仮に2021年分の医療費控除があったとすると、今年の確定申告の期限は原則22年3月15日であったため、還付申告の期限は27年3月15日までと思いがちだが、実際には26年12月31日に締め切られているため、もう還付請求はできないことになる。

 それと「翌年1月から5年間有効であれば、なにもわざわざ混み合う3月15日までに申告する必要はないのではないか」と思う人もいるだろうが、その考えはやめたほうがいいだろう。確定申告は6月から納付する住民税の計算に影響することから、時間の経過によって本来享受できるメリットを失うことにもなりかねない。住民税の計算のベースは、昨年末の年末調整や確定申告をした所得税の計算のベースの所得金額と同じだ。そのため、確定申告での所得額が低ければその分だけ住民税額は少なくて済むし、逆に多ければ住民税額は多くなってしまう。

 年末調整で所得額が多くなったが医療費控除を行えば少額になるというときに、還付申告を遅らせれば住民税は高額のままになってしまう。さらに自治体の公的サービスの多くは住民税の計算のベースである所得額を元に判断されるため、生活の様々な面にも影響を及ぼす可能性も否定できない。

2020年16号(2022/5/2)

<タックスニュース>カナダが外国人の住宅購入を禁止へ  国内需要には税優遇

 カナダ政府はこのほど、外国人がカナダ国内の住宅を購入することを2年間禁止する措置を発表した。投機による土地価格の上昇を抑えることが狙いだ。

 同国政府が発表した2022年度予算案では、住宅市場における競争の平準化を図るとして、外国人による住宅購入を2年間禁止した。さらに1年以内に住宅を売却する人に対しては高税率の譲渡所得税を課すことも決めた。これらの措置に、永住者や留学生などは含まれないという。

 同時に、住宅価格を落ち着かせて多くの若者を住宅市場に参入させるため、初めての住宅購入者に対する税額控除枠の拡大や、毎月の支払額を減額するインセンティブの実施、約500万円の非課税の住宅貯蓄口座の導入などを盛り込んだ。

 カナダでは外国資本による投機的な土地購入によって、住宅価格が過去最高のペースで上昇している。今年3月時点で平均住宅価格は前年比20%増の約1億円となっていて、若年層がマイホーム購入をためらう要因となっているという。さらに土地の価格上昇に伴い、家賃の相場も上がっている状況だ。

 その一方で、あくまで投機目的であるため実際には購入者が住んでいないことも多く、バンクーバーでは19年時点で非居住者による住宅の所有率が4.3%に達していた。

<タックスワンポイント>ウクライナ侵攻で進む円安  会社への影響は?

 不安定なウクライナ情勢の影響を受け、円安が進行している。4月19日の対ドルの円相場は一時期1ドル129円と、およそ20年ぶりの水準に達した。一部では5月の黄金週間明けにピークを打つとの見方もあるが、ウクライナ情勢がいまだ先が見えないなかでさらに円安が進行する可能性もある。

 円安は、国外との取引をする企業にどのような影響を及ぼすのか。為替相場の変動で生じる利益を「為替差益」、損失を「為替差損」と言うが、今回のように急激に円安が進んだ場合、輸出会社は為替差益によって得をし、輸入会社は為替差損で損をするということになる。例えば1ドル100円の時に海外から1千ドルの仕入れを行うとすると、円表示なので損益計算書に記載する仕入額は「10万円」だ。しかし代金を支払う時点で為替が1ドル150円になっていれば、現金として支出する額は10万円ではなく15万円になってしまう。差額の5万円は為替相場の変動による損失額ということだ。

 さらに円安の状況では、外貨建ての債権・債務の扱いにも気を払いたい。これらも税務申告の際には円表示に置き換えなくてはならないが、その換算方法は「発生時換算法」と「期末時換算法」のどちらかを選ぶことになる。複数の債権・債務について異なる換算方法を選択することはできないが、異なる外国通貨なら、異なる換算方法を選ぶことも可能だ。

 外貨建ての債権・債務は当然に円高や円安の影響を受けることとなるが、覚えておきたいのが、為替相場が著しく変動しているのであれば、すでに発生時換算法を選択していても、期末時換算法で簿価を付け替えることができるということだ。「著しい変動」の判断基準は、「(期末時の為替相場で換算した円貨の額-期末時の帳簿価額)/期末時の為替相場で換算した円貨の額」が15%以上になる状況を指す。

 注意点としては上記の計算時には、(1)期末時における実際の為替相場を採用し、平均相場を適用することはできない、(2)多数の外貨建債権・債務があるために個々の外貨建債権・債務ごとの割合の計算が困難なら、外貨の種類が同じ外貨建債権・債務ごとの合計額を基礎にして計算できる、(3)著しい変動に該当する外貨が2種類以上ある場合に、その一部についてだけ換算変更をすることはできない、(4)外貨建債権・債務の為替相場に著しい変動があったかどうかは、あくまでも帳簿価額と期末時の為替相場で換算した円貨の額との差で判断し、期中における最高騰時の為替相場と最下落時の為替相場との差や、期首時の為替相場と期末時の為替相場との差によって判断することはできない――ということも併せて覚えておきたい。

 円高・円安が外貨建の債権・債務へ与える影響は、おおむね債権が債務より多ければ、円高傾向なら期末時換算法、円安傾向なら発生時換算法が有利となる。反対に債務が債権より多ければ、円高傾向なら発生時換算法、円安傾向なら期末時換算法を選んだ方が良い。今回は円安なので、債権より債務が多い場合は、特例による期末時換算法への付替えを検討してもよいだろう。

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