地方税共同機構はこのほど、同機構のサイトに「給与支払報告書等の提出に係る特設ページ」を開設した。eLTAXを利用して給与支払報告書、公的年金等支払報告書、源泉徴収票を提出する事業者・納税者向けの情報をまとめている。
特設ページでは「目次」として、(1)給与支払報告書及び公的年金等支払報告書提出について (2)源泉徴収票のみなし提出の特例について (3)使用するCSVレイアウト等のご案内 (4)特記事項――などを挙げている。
「源泉徴収票のみなし提出の特例」については、「令和9年1月1日以後に提出すべき令和8年分以後の給与・公的年金等の支払報告書を市区町村に提出した場合には、給与・公的年金等の源泉徴収票を税務署に提出したものとみなされます。そのため、別途『給与所得の源泉徴収票』や『公的年金等の源泉徴収票』を作成し、税務署へ提出する必要はありません。なお、令和7年分以前の給与・公的年金等の支払報告書は源泉徴収のみなし提出の特例の対象とはなりません」と解説している。
「特記事項」では、(1)給与支払報告書等の送信可能日について (2)特別徴収税額通知の受取方法について (3)源泉徴収票(受給者交付用)を印刷する (4)給与支払報告書等の電子的提出義務基準について (5)複数の事業所を持ち、事業所ごとに給与支払報告書を提出する必要のある方――の5点について案内している。
火災などの災害で自社の工場や機械設備が焼失し、火災保険金を受け取ったとする。被災した企業にとっては文字どおり命綱となる資金だが、税務上はこの保険金が特別利益として計上され、多額の法人税が課せられるリスクがある。焼失した資産は減価償却後の低い簿価で試算される一方、火災保険金は現在の時価をベースに支払われ、大きな差額(利益)が生まれるためだ。
これでは、受け取った保険金を全額使って新しい機械を買い直そうとしても、税金で資金が目減りし、事業の復旧に支障をきたしてしまう。そこで経営者が知っておくべきなのが「圧縮記帳」という制度だ。
圧縮記帳とは、受け取った保険金で新しい資産を買い直した場合、その代替資産の取得価額から「保険差益(もうけ)」の部分をマイナスして帳簿に載せる処理のことだ。これにより、保険金を受け取った初年度の利益を相殺し、一時的な税負担を回避して全額を事業復旧に充てることができる。
ただし注意点もある。圧縮記帳はあくまで課税の繰り延べであり、税金を完全に免除する制度ではない。初年度に資産の帳簿価額を減額した分、翌年度以降の減価償却費として経費にできる枠も小さくなるためだ。初年度の税負担は減るが、その後の年度の税金は増えるため、減価償却が終わるまでのトータルの税負担額は、通常の会計処理と変わらないという仕組みだ。
片山さつき財務相は第二次高市改造内閣発足後の大臣留任会見で、食料品の消費税率引き下げに特化した税制改正大綱に盛り込んだ所得連動型給付制度について「新制度ができたということは画期的な意義を有すると考えている。これから国会に出すわけですけど」と述べ、臨時国会への法案提出を前に、制度創設は既定路線であるとする認識を示した。
財務相は会見で「大綱が閣議決定し、これから次の国会に法案を出していくが、諸外国との比較を通じて純負担率の改善が必要であることが明らかになった中低所得の現役勤労者に着目して、その負担軽減を通じて所得に応じて手取りが増えるようにするとともに、いわゆる年収の壁などによる働き控えを緩和することを通じた就労促進を図るための税・社会保険料負担と現金給付を総合的に捉え、これまでにない所得に応じたきめ細かな給付を行う新制度ができたということは画期的な意義を有すると考えている。これから国会に出すわけですけど。そしてつなぎの2年間に限った飲食品の消費税の臨時的な引き下げと1%相当分の範囲で実施する支援金制度も組み合わせて本格導入へ円滑に接続していくという一連の制度ができたので、この大綱に基づいて法案の準備を進め、臨時国会に提出し、早期成立を目指すのが我々のミッションだと思っている。また、並行して飲食料品にかかる消費税率の引き下げが円滑に行われるように事業者などへの広報活動を速やかに実施するとともに、国民や地方自治体への丁寧な説明と周知・広報を行うために関係省庁と連携していきたいと思っている」と述べた。
投資目的で買う不動産は「収益物件」と呼ばれるが、収益物件といっても賃貸アパートもあれば、店舗や事務所、倉庫などさまざまなものがある。これらは大きく「居住用」か「業務用」の2種類に分けられる。
物件が店舗や事務所などの業務用であれば、オーナーは入居者から必ず消費税を含んだ賃料をもらう。家賃、管理費、共益費、礼金のすべてに消費税がかかることになる。
一方、居住用のアパートやマンションの入居者から受け取る家賃には、消費税が含まれない。管理費、共益費、礼金も同様で、これは住宅は生活の基礎であり、居住者の経済的負担に配慮するためだ。
しかし居住用物件であっても、入居者から受け取るお金すべてが消費税を含まない非課税の支払いかというと、そうではない。入居者が設備を利用したり、サービスを受けたりするようなものについては消費税を含んだ料金を受け取る必要があり、駐車場代、インターネット料金、ケーブルテレビ利用料、鍵の交換代などが該当する。非課税となるのは、あくまで家賃関連の支払いだけだ。
国税庁はこのほど、「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議」の6回目の会合を開き、株式の評価方法を「残余利益方式」に見直すとする前回提示した事務局案について、具体的な評価水準の試算を示した。国税当局は、残余利益方式で税負担増が懸念される大会社に対しても「現行の中会社や小会社と変わらない水準とすることが可能だ」とした。
国税当局は残余利益方式の加算期間5年、還元率8%とした場合の評価水準の試算を示した。大会社の残余利益による評価額は現行の申告評価額比で上昇するものの、対純資産価額比では斟酌率が0.8の場合で現行の小会社、0.7の場合で現行の中会社とおおむね同程度の評価水準になるとした。加算期間を5年と想定していることについて、委員からは「残余利益モデルは本来、無限期間を前提とした理論であるが、実務上5年で打ち切ることには一定の合理性があり、やむを得ないのではないか」と肯定的な意見が出された一方で、「5年で打ち切ることで、将来にわたって発生する損益などを十分反映できないのではないか」などの意見が出された。
残余利益方式によらず純資産価額方式で評価することが相当と認められる「特定の評価会社」についても議論し、(1)株式の価値の大半を保有資産の価値が占めると考えられる会社 (2)評価通達における残余利益方式での評価が技術上困難と認められる会社 (3)継続企業の前提に疑義がある会社 (4)継続企業の前提を欠いている会社――の4類型に整理したとしている。
国税庁は今秋を目途に2027年度税制改正に向けた案をまとめる方針。27年度税制改正大綱で見直しの方針が示されれば、評価通達の改正を経て28年1月から新ルールが適用される可能性がある。
不動産を購入する際には、不動産自体の代金に加えて、譲渡日からその年の終わりまでの分に相当する固定資産税を買い主が負担するというルールがある。1年のうち、自分が所有する期間の固定資産税は払うという考え方に基づくものだが、これはあくまで不動産取引の慣習に過ぎず、法律で定められた規定ではない。税法上の固定資産税の納税義務者もあくまで売り主であり、買い主に納税義務は一切ない。
そのため、実際に買い主が売り主に固定資産税相当額を支払ったときには、税法上は税金の支払いではなく、売買代金の一部と見なされる。買い主側の勘定科目としても、買い主が納めるべき税金ではないので、租税公課として経費処理しないように気を付けたい。
ではどう計上するかというと、売買契約書に記載された売買金額に、固定資産税相当額を加算した金額が、その不動産の実際の取得価額となる。土地の固定資産税相当額であれば「土地」、建物の固定資産税相当額であれば「建物」の、購入した資産の金額に含めて処理するわけだ。