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2026年18号(2026/5/14)

<タックスニュース>財務省 税制改正パンフレット  「防衛特別所得税」創設を周知

 財務省はこのほど、同省サイトでパンフレット『令和8年度税制改正』を公開した。閲覧・印刷用データとしてダウンロードできる。

 パンフレットは16頁。個人所得課税については「物価上昇局面における基礎控除等の対応」「住宅ローン控除の拡充」「NISAの拡充」「極めて高い水準の所得に対する負担の適正化措置の見直し」「ひとり親控除の拡充」など、法人課税については「大胆な設備投資の促進に向けた税制措置の創設」「研究開発税制の強化」「賃上げ促進税制の見直し」など、消費課税については「国境を越えた電子商取引に係る消費税の適正化」「インボイス制度導入に係る経過措置の見直し」「自動車重量税のエコカー減税の見直し」「国際観光旅客税の税率の引上げ」など、それぞれの改正ポイントについて解説している。

 また、「防衛力強化に係る財源確保のための税制措置」については、(1)令和9年1月から所得税額に対して税率1%の新たな付加税として「防衛特別所得税」を創設(2)復興特別所得税の税率を2.1%から1.1%に引き下げ、課税期間を10年間延長――することを周知している。

 財務省は今回の税制改正について、「物価高への対応の観点から、物価上昇に連動して基礎控除の額等を引き上げるほか、就業調整に対応するとともに、中低所得者に配慮しつつ、所得税の課税最低限を178万円まで特例的に先取りして引き上げます」「『強い経済』の実現に向けた対応として、大胆な設備投資の促進に向けた税制措置を創設します」「租税特別措置の適正化の観点から、賃上げ促進税制の見直しや研究開発税制の強化等を行います」「税負担の公平性を確保する観点から、極めて高い水準の所得に対する負担の適正化措置の見直し等を行います。また、グローバル・ミニマム課税の見直しや防衛特別所得税の創設等を行います」などとしている。

<タックスワンポイント>隣人も通る私道  相続時の評価7割減も

 相続財産に占める土地の割合は、最新の国税庁統計(2024年分)で30.2%と3割以上を占め、依然として資産の主役だ。そのなかでも特に評価が難しく、申告ミスの原因になりやすいのが「私道」の扱いだろう。近所の人も利用する私道は、相続財産であることを失念しやすいため、まずは所有権の有無を確認したい。

 近隣住民などが通行に利用している私道は、土地活用の自由度が大幅に制限されるため、原則としてその土地を宅地と仮定した評価額の30%で評価される。さらに、不特定多数が利用し、通り抜け可能な状態にある私道は、公共性が極めて高い「通り抜け私道」として、評価額はゼロだ。

 対して、所有者のみが利用する行き止まりの通路などは、宅地の一部とみなされ100%で評価される。ただし、被相続人と同居していた親族等が相続するなど「小規模宅地等の特例」の条件を満たせば、宅地と併せて最大330平米まで評価額を最大8割減らせることは覚えておきたい。

2026年17号(2026/5/8)

<タックスニュース>国税庁 有識者会議が初会合  非上場株、評価ルール見直しへ

 国税庁は4月20日、「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議」の初会合を開いた。この有識者会議は、会計検査院から指摘を受けたことを踏まえて設置されたもの。取引相場のない株式の相続税評価について、相続税法の時価主義のもとで適正な評価制度のあり方を検討するとしている。抜本的に見直されることになれば、現行の評価ルールを定めた1964年以来の大幅な改正となる。有識者会議では27年度税制改正大綱に反映させることを目指して、議論を進めていくものとみられる。

 被相続人の財産は「時価」で評価することが相続税法で定められている。しかし、非上場株は取引相場がないため、国税庁では「財産評価基本通達」というルールを設けて評価額を算定している。だが、配当や決算期を調整したり、故意に「赤字化」したりするなどの手法で意図的に評価額を下げ、税負担を過度に軽減しているとみられるケースがある。

 24年11月の会計検査院の検査報告では、(1)各評価方式の間で評価額に乖離が生じていること(2)類似業種比準価額を適用する割合が高い規模の大きな会社ほど株式の評価額が相対的に低く算定されること(3)配当還元方式の還元率が近年の金利の水準と比べて相対的に高い率となっているおそれがあること――などが示され、評価制度のあり方について「異なる規模の会社間での公平性や社会経済の変化を考慮し、より適切なものとなるよう検討を行っていくことが肝要」と指摘されていた。会計検査院は、評価方式によって評価額に4倍の差が出るケースもあると指摘。「評価の公平性が必ずしも確保されているとはいえない」として、国税庁に見直しを求めていた。

 有識者会議では、非上場株の評価を適正にすることを念頭に議論される見通し。だが、大規模非上場企業の株式評価額が上がる方向で議論が進めば、一部で相続税の負担が増す可能性もある。

<タックスワンポイント>相続税の納付  不動産の売却と物納の税務

 日本の相続財産の約3割強は不動産が占める。最新の国税庁統計(令和6年分)では、現金・預貯金の34.9%に対し、土地は30.2%、家屋は4.8%となっており、すぐ換金できない不動産が、納税資金の確保を難しくする要因となっているのは確かだろう。相続財産の大半が不動産である場合、納税資金の確保が難しければ不動産そのものを納める物納を選べる可能性があるが、物納するケースと不動産を売却して納税するケースでは、税務上の扱いが大きく異なる。

 まず、物納は所得税法上の「譲渡」とみなされないため、売却時のような譲渡所得税がかからないという利点がある。一方、価額は、おおむね時価の8割程度とされる相続税評価額が基準となるため、市場価格が高い地域では、売却して税金を払った方が手残りは多くなりやすいという特徴がある。

 そもそも前提として、物納はあくまで「最後の手段」だ。相続税法では、延納によっても金銭納付が困難な場合に限り、物納を認めるとしており、任意に選べるわけではない。また、物納申請には測量図の整備など厳格な条件が課され、税務署による審査期間も長期間を要するケースがあることも覚えておきたい。

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