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2025年41号(2025/11/6)

<タックスニュース>自民税調 山際氏、西村氏ら元閣僚も  インナーの顔ぶれに"高市カラー"にじむ

 自民党の税制調査会が2026年度税制改正に向けた協議をスタートさせた。幹部会合である「インナー」のメンバーは半数ほどが交代となり、その顔ぶれにも"高市カラー"がにじんだ。

 自民税調はこれまで、インナーに入る一部の幹部が事実上の決定権を持つ独特な運営がなされてきた。前会長の宮沢洋一氏は旧大蔵省出身で、減税には恒久的な財源が必要との姿勢を示すなど自民党内でも存在感を保ってきた。

 今回は、半数ほどのメンバーが入れ替わった。会長は初の税調入りとなった小野寺五典前政調会長。税調ナンバー2に当たる小委員長には山際大志郎元経済再生担当相が就任したほか、西村康稔元経済産業相もインナー入りした。山際氏は旧統一教会との関係、西村氏は旧安部派の幹部として派閥裏金問題への関与などが取りざたされた元閣僚だが、経済成長を重視する高市首相の姿勢にはマッチした人選となったようだ。

 自民税調に与えられる課題は今年も多々ある。ガソリン税の暫定税率廃止に向けた議論のほか、「年収の壁」をめぐる公明、国民民主との協議、自動車関連税制の見直しなど、いずれも国民生活に密接に関わる課題だ。宮沢氏と同じ旧大蔵省出身の後藤茂之元経済再生担当相は小委員長から「小委員長代理」に事実上降格したものの、これまでの与野党協議に関わっていた経緯もあり、インナーには今後も加わる。

 インナーの初回会合後、小野寺税調会長は「今までは税の専門家という括りで税調が行われていたかもしれないが、むしろ国民目線で開かれた税調というのが高市首相の考えだ。決して税(の議論)を長年やってきていなくても、私どもの暮らしに直結する各分野の専門家に入ってもらった」と述べている。

<タックスワンポイント>サブリースが抱える問題点  一括借り上げは家賃保証ではない

 30年の一括借り上げで、老後の暮らしも相続税も安心。こうした売り文句に釣られて遊休地に賃貸アパートを建てたはずが、最終的に入居者が集まらずに土地や建物、さらには自宅まで失うというトラブルが後を絶たない。

 サブリースを行っている不動産会社は、土地持ちのオーナーから土地や建物などをサブリース契約で借り上げ、アパートの運営や管理のすべてを引き受ける。実際の入居者の入居率でなく、サブリース会社が一括して借り上げてくれるという安心感や、相続税負担を抑える税金対策としても全国的に広まった。

 ただ気を付けなければならないのは、家賃は30年間ずっと一定の金額が支払われるわけではないということ。サブリース契約書には大抵「入居状況、近隣家賃相場、経済状況と地域需要に応じて、随時に変動増減する」といった旨の条項が書かれている。

 うまく入居者が入っているときは家賃も順調に振り込まれてくるだろう。しかし、いったん空室が出れば、サブリース会社は契約内容の変更を強硬に迫ってくる。全国で頻発するサブリースのトラブルを受け、家賃減額などについて前もって説明しておくことを義務付けるサブリース法が成立したのは2020年のことだが、その後もサブリースをめぐるトラブルは発生し続けている。

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