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2026年31号(2026/8/13)

<タックスニュース>相続税の物納申請わずか48件  延納も1342件にとどまる

 国税庁はこのほど、2025年度の相続税の「物納」「延納」申請・処理状況を公表した。申請件数は「物納」が48件、「延納」が1342件。06年度の申請件数は物納が1036件、延納が4705件なので、当時と比べると物納はわずか4.6%、延納は28.5%に過ぎず、ともに大幅減となっている。

 「物納」の申請件数は48件、前年度に未処理で繰り越されていた件数は29件で、合計77件。このうち物納が許可された件数は40件、取下げ件数は14件、却下件数は4件で、処理件数の合計は58件だった。全体の51.9%が許可され、75.3%が処理されている。申請金額は135億円、未処理繰越金額は49億円で、合計184億円。このうち物納が許可された金額は86億円だった。

 「延納」の申請件数は1342件、未処理繰越件数は371件で、合計1713件。このうち延納が許可された件数は891件、取下げ件数は346件、却下件数は44件で、処理件数の合計は1281件だった。全体の52.0%が許可され、74.8%が処理されている。申請金額は665億円、未処理繰越金額は242億円で、合計907億円。このうち延納が許可された金額は445億円だった。

 06年度からの処理状況をみると、「物納」「延納」とも申請件数・金額が大幅に減少している。06年度に物納が許可された件数は2094件、金額は1334億円で、延納のそれは4742件、1350億円だった。当時の物納許可件数は25年度の約52倍、金額は約16倍。延納許可件数は約5倍、金額は約3倍だった。

<タックスワンポイント>ローリスクでハイリターン?  軍用地投資 相続税対策にも

 自衛隊や米軍の基地などが建つ「軍用地」は、すべてが国有地というわけではなく、一部は民間の法人や個人から借り上げて利用するというかたちをとっている。その際にはもちろん賃料が発生するので、それを目当てに軍用地をわざわざ購入する不動産オーナーもいる。

 通常の賃貸アパートなどへの投資と比べて軍用地を選ぶメリットとしては、空室リスクが存在せず確実に国から安定した賃料収入が得られること、そのため銀行からの担保評価が高くお金を借りやすいこと、賃料にあたる借地料が定期預金の金利の3倍前後のペースで上がり続けること、修繕・リフォームといった維持費がほとんどかからないことなどがある。また軍用地は通常の事業用地に比べて固定資産税評価額が低く計算されるルールがあるため、それを基に算出する相続税も大幅に抑えることができる点も人気の理由だ。

 こう聞くと良いことずくめという気がするが、もちろん欠点もある。軍用地は国の防衛戦略によって成り立つだけに、将来的に日本や米国の政策変更によって返還される可能性を常にはらんでいる。返還後に大規模リゾート施設建設などの計画があるなら値上がりが見込めるが、そうでなければ"原っぱ"に戻ってしまう可能性もゼロではない。また単純に利回りだけを見ると、軍用地の表面利回りは平均2%前後と、通常の賃貸アパートにかなり見劣りする。総じて利回りは低いものの安定性が高く、相続税対策として有効というのが、軍用地投資の特徴だ。

2026年30号(2026/8/6)

<タックスニュース>生保労連 関連税制アンケート  保険料控除は「重要」が8割超

 生命保険業界で働く労働者で組織する産別単産、全国生命保険労働組合連合会(生保労連)はこのほど、「生保関連税制等に関するモニターアンケート」の結果を取りまとめ公表した。民間生命保険に加入する18歳以上80歳未満の個人で、扶養している子どもが「いる」ひと、「いない」ひと各1030人、合計2060人を対象に調査を実施したもの。「生命保険料控除制度の役割」については全体の8割超が「重要」と回答している。

 「死亡時の遺族の生活に対する準備状況」についての調査では、「残された遺族の生活」に「不安はない」と回答した割合は19.9%にとどまり、全体の2割に満たなかった。「少し不安」は同29.7%、「不安である」は同28.3%、「とても不安」は同22.1%だった。 

 「残された遺族の生活に対して経済的な準備をしていますか」との問いには、46.6%が「ある程度している」と回答した一方で、41.8%が「していない」と答えた。「十分している」は6.6%にとどまった。「準備しているもの」を複数回答する設問では、全体の85.9%が「生命保険(共済含む)」、同82.1%が「預貯金」と答えた。

 「生命保険の死亡保険金で必要だと考える金額」の回答平均額は約1780万円であるのに対し、「現在加入している生命保険の死亡保険金額」の回答平均額は約1168万円で、600万円ほど不足している。

 「生命保険の重要度」については、「どちらかというと重要」と回答した割合が50.0%で半数を占めた。「重要」の26.7%と合計すると76.7%となり、全体の4分の3が生命保険を生活に欠かせない商品・サービスであると認識している。一方、「どちらかというと重要ではない」は15.5%、「重要ではない」は7.9%だった。

 「生命保険料控除制度の役割」については、「どちらかというと重要である」が52.0%、「重要」が32.0%で、全体の8割超が重要視している。

 「今後の生命保険料控除制度のあり方」について、(1)公的保障だけでは不十分なので、自助努力支援を拡充してほしい (2)現行のままで良い (3)公的保障で十分なので、自助努力支援を縮小してほしい――の3点から最も近い考えを選択する設問では、「どちらかというと(1)」が42.6%、「(1)」が24.5%で、合計すると全体の3分の2以上の割合を占めた。「(2)」は28.1%で、現状維持を支持する回答も3割近くあった。「どちらかというと(3)」は3.7%、「(3)」は1.1%にとどまった。

 2026年から23歳未満の扶養親族がいる場合、一般生命保険料(死亡保障)控除額の4万円に2万円を上乗せし、6万円とする時限措置「子育て世帯に対する一般生命保険料控除額の拡充」が講じられていることを、「知らない」と回答した割合は73.3%で、周知が徹底していない状況が明らかになった。

<タックスワンポイント>非常勤役員の適正な報酬額  経験、勤務状況、ほかの役員分…

 オーナー企業では、家族を法人の非常勤役員にして報酬を払っているケースが多い。しかし、報酬額が過大と判断されてしまうと否認される恐れがある。

 過去にあった事例では、会社の取締役に長女を据え、役員報酬として年額93万円を支払っていたが、課税庁がそのうち60万円を超える約3分の1の部分について否認した。長女は取締役就任当時18歳で大学在学中であり、学業の余暇を利用して経理関係の帳簿の整理、自動車の運転など実質的な業務にも携わっていたが、なぜ一部否認されたのか。

 裁判所は「(1)長女の知識・経験 (2)取締役として就任間もない事実 (3)勤務状況・職務内容 (4)会社経営に参画する程度 (5)ほかの取締役・使用人に対する報酬、給与の額――などを併せて考えると、長女に対して支払われるべき報酬の客観的相当額は、会社設立以来の非常勤取締役だったほかの役員に対する報酬額(年額60万円)以上にはならない」と判示した。この額をそのまま参考にはできないが、知識・経験、勤務状況に加えて、ほかの役員との差が重要なポイントだといえそうだ。

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